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2013年10月16日水曜日

日系ブランドをブランディングとマーケティングで凌駕した中国ローカルブランド①



マーケティングが優れている中国ローカルブランドの戦略を見てみるとそこから何故日系ブランドが苦戦しているのかも少しだけ垣間見えます。

まず、中国市場の全体的な階層構造は、ハイブランドは欧州ブランド勢力、中間層マーケットは日本勢と韓国勢、最下層は韓国勢が主導権を握っていると考えて良いと思います。
中国ローカルの各ブランドはこの中間層と最下層に対してどのようなアプローチをしたのでしょうか?

①ブランディングをKeyにした中国ローカル企業の戦略
 中間層市場、ここには日系大手ブランドが10年以上前から中国市場に乗り込んでいたマーケッ トです。ある一定のポジショションを築いていた時期もありました。
 百貨店の出店とともに歩んだブランドもあり、いまでも地方にいけば百貨店のポジションはあ る程度強いです。そんなマーケットに中国ローカル企業はECという販売チャネルを重視し、か つそのwebデザインやモデルを欧米風にしていきました。
 EC販売チャネルを重視していることは、EC用の在庫をふんだんに置いていることからもよく わかります。またブランディングの手法も非常に巧みに仕上げています。
 (ブランディング具体例は次回以降に)
 

 欧米ブランドでもないのに欧米風のブランディングをすることはどの国でもあることです。
 ブランディングを補完する上でソーシャルメディアも有効に使っていきました。
 シーズン毎のファッションショーやイベントを動画サイトを有効に使っています。
 ECプラットフォームは中国人消費者の信頼を勝ち得るために、淘宝はアリペイという決済シス テムを構築し、天猫は1週間無条件返品。出店する店舗は詳細な格付けで消費者の購入時の不 安を払拭しています。
 そんな新たなコミュニケーションツールとECプラットフォーム側の努力が中国ローカル企業の
 ブランディングを後押ししてくれたわけです。
 そんなハイブランド、つまり上から下へのブランディングで中国ローカル企業は日系企業のポ ジションをじわりと浸食していっています。

  中国ローカルブランドは「バリュープロポジション」を使ったのだと思います。
 消費者が望んでいて、ライバルである日系企業が提供できない価値を提供し見事に中間 層市場を手中に治めようとしています。
 中国市場でありながら中国ローカル企業は常にチャレンジャーであったことを忘れて  はいけません。

 参考ブランド「中国百貨店系ブランドの逆襲」

 ◇代表的なブランド
 GOELIA・JORYA・音儿・DAZZLE・PSALTER/诗篇・INSUN恩裳COCOON/可可尼
 Marisfrolg/玛丝菲尔

 
②価格戦略を軸に戦いを挑んだ中国ローカル企業
 最下層の層に中国ローカル企業はどのような挑んだのでしょう?
 それは次回にでも!


※新興国市場では猛烈な勢いで拡大するとともに消費者行動もスピーディーに変化していきます。Eコマースの急速な発展は20代だけでなく40代以降の層もいとも簡単に取り込んでいきました。その変化は海外企業よりも現地ローカル企業のほうが柔軟に適応していることは、中国市場だけでなくどの市場でも言えることだと思います。
その国の市場を知っているのはその国の企業、だからその国の企業を研究することは重要だと思います。

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