先月業績の下方修正を出した香港I.Tの業績。2013年2月期の決算にその兆候は現れていましたが、この中間期に明確に数字に出てきました。
上海・来福士(ラッフルズ)の店舗
主な項目
・香港I.Tグループ全体の売上は前年同期比0.9%減少。
・香港売上は7.1%減少,中国本土は14.8%増加,日本は23.2%減少,台湾などは1.7%増加。
・粗利益は1.53%減少、純利益はなんと76.8%も減少しています。
純利益が昨年15億円から3.5億円にまだ下がったのは、売上変わらないのに、粗利益は3.3億
円減少販管費は9.2億円上昇、金融コストが2.1億円増加しているのが大きな要因(銀行借入は
約260億円に増加)
ここまでくるとアパレル企業は負のスパイラルに入り,やることなすこと裏目に出てきます。
■香港I.Tの2013年3月〜8月までの中間決算数値と前年同期間の数値
2013年8月中間期
売上 367億円
営業利益 7.6億円
純利益 3.5億円
在庫 143億円
現預金 262億円
借入 262億円
■各エリアの売上と利益
・香港での売上減少と中国でのEBITDAが低いことにちょっと驚きです・・・。
・2013年8月中間期の営業利益は約7.6億円(前年は約18億円)
・営業利益が一番高いエリアは全社で売上シェアが6.9%しか占めていない日本で、全営業利益の
55%(4.2億円)を稼いでいます。
・中国本土での利益の出し方に相当苦労しているのか・・・。
青色が香港I.Tの株価グラフ
株価も右肩下がり・・・香港I.Tは正念場です2014年2月期の決算に向けてどのような施策を出すのでしょう・・・。
そして、中国に進出している日系アパレル企業も香港i.tの苦戦理由を分析していかないと・・・。
中国本土には、エリア限定で出店し、そのエリアでの露出を高め、ネットでじょじょに全国区にしていくブランド、ネットだけで全国区になるブランドなどなど、中国ローカル企業は自分の身の丈に応じて戦略を練ってきます、一方香港I.Tなど大手に入るブランドはいっきに中国全土に店舗展開をしていき、ネットは後回し・・・そして在庫の山・・・そんなこんなしているうちに中国消費者の購買行動の変化とEコマース物流のクオリティの劇的な改善、天猫などのプラットフォームの急拡大が進んで行く、でもその影響を軽視・・・。で、片手間にEコマースをやって淘宝網のC店舗の餌食となるなどなど・・・まあ、中国市場は難しいです。
中国の法人には本当のマーケッターを投入しないとね!
中国語ができるのを前提に総経理にしている会社はこれからますます厳しいでしょう。
そんなものは関係ないですよ、語学の先生を社長にするようなもんです。
※2013年2月期の香港ITの業績については、以前UPした記事を参照に!
(各エリアの店舗数なども参考に)
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