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2013年9月30日月曜日

日系企業中国市場撤退の本当の理由は??


日系企業撤退に関して・・・
1)日本ブランドの商品価格帯は中国では優位性が無い。
2)中国企業は採算度外視の価格設定と膨大な広告宣伝費の 投下を行うため、日本企業は太刀打ちできない。
3)中国のネット利用者は低所得者層と富裕層で二極化しており、中間層が少ない。
4)韓国勢ブランドが勢いを増してトレンド的にMade in Japanの服は売れなくなった。
1)と3)について。
・商品価格に優位性が無い?ユーザーはブランド価値と素材やデザイン(webデザイン・商品デザイン)を見て、その価格が妥当か否かを決めるのです。日本の商品価格に優位性が無かったのではなく、日本商品のブランド価値を伝える努力をしていなかったから、ユーザーは日本の商品価格に正当な対価として払うことをしなかったのです。
2013年1月度淘宝レディースファッション売上TOP100のうち、客単価が1000元(13500円)を超えているブランドは19ありました。日本の商品価格に優位性が無いとするなら、このような結果は出ないはずです。
 具体的に言うと、ネット上でブランド価値を保つには、天猫旗艦店を構築し、ブランドサイト(できれば自社ECサイト)を構築し、チャットによるコミュニケーションを行うオペレーターをブランド毎に育成する。偽物を扱うC店舗があれば、その店と交渉し排除・駆逐していく。または傘下に治める。買い物した時のユーザビリティ、商品が届いた時のユーザー体験レベルを上げることです。
・中間層が少ない?淘宝のデータ(淘宝網と天猫の合算データ)を見ると、毎月客単価は上がっています。
2013年1月度淘宝全体(淘宝網+天猫)レディースファッションブランドTOP100全ブランドの平均客単価は約620元(日本円で約8370円)です。
TOP1~50位の客単価  555元(約7500円)
TOP50~100位の客単価 684元(約9240円)
B2Cの天猫だけの客単価になると、日本円で1万円を超えるはずです。
そしてこの客単価は日々上昇傾向にあり、中間層が育っていることを意味します。
 中国の中間層は着実に増加しています。中国の25~30代の独身女性のお金の使いっぷりを見たことがないんでしょうか?日本のOLさんよりも豪快に使います。でも彼女たちは正当なブランド価値のあるものに対してお金を払います。決して安いだけで判断したりしません。そんな彼女たちが中間層マーケットを引っ張っています。何度も言いますが、この彼女たちへの信頼を勝ち取るための努力をせずして、中間層が少ないなどど言い訳をしてはいけません。ちなみに中国三大都市(北京上海広州)の25才~39才女性の8割以上がフルタイムで働いています。そんな彼女たちが日本ブランドのメインターゲットでしょう!!
2)中国のビジネスマンは採算度外視のビジネスなんてしません。いや世界中どこにいってもそんな人いません。膨大な広告宣伝?ネットで売れている中国ローカルブランド全てが膨大なお金を持っているとでも言うのでしょうか?VCからお金を引っ張ってきて広告宣伝を大量に投下するブランドは確かにあります、でも勢いのあるネットブランドは低予算ながらも、webを駆使してユーザーとコミュニケーションをとり地道にコアなファンを獲得しています。広告宣伝の大小が売上の大小につながるほど中国マーケットは単純ではありません。
敢えて言うのであれば、中国人はシェア重視の戦略を取っているのは事実です。でもそこには、自社ブランドのポジショニングを明確にして、その領域のユーザーへアプローチしシェアを取っていきます。そこには明確な戦略があり、明確な戦略があるから資金が集まるのです。
中国ファッションマーケットで勝っているブランドは、ユーザーとのコミュニケーションを重視し、ユーザー体験を最大限に高めようと日々努力しています。一方日本企業の中国ECの取り組みは、一方的でした、webデザインは日本人が決めるどころか、日本の商品画像やwebデザインをそのまま使い、コミュニケーションをとることもなくただweb上に並べているだけのEC店舗でした。私が知っている某ブランドの天猫旗艦店はOPENしてから一度もTOPページのデザインを変更しませんでした。
よく中国の実店舗へ視察に行った時、日本人は実店舗の中国人女性販売員のレベルの低さを指摘していましたよね?!お客さんが来ても、あいさつもせずあくびをしたり、対応しなかったり・・・。それと全く同じ事を日本企業はEC店舗でやっていたのです。ユーザーがチャットでコミュニケーションをとってきても無視か対応速度が遅い、とれたとしても曖昧な説明・・・。
土日はチャット対応無し、夜は21時までしか対応しない・・・。中国のEコマースユーザーは土日も関係なく、また夜は24時まで買い物を楽しみます。365日買い物を楽しみたいのです。そういう中国人ユーザの行動パターンを無視して、企業内の都合だけでサービスレベルを上げなかったのは日本企業のほうではないでしょうか。
4)淘宝網の検索窓や淘宝指数で日本ブランドを検索してみてはどうですか?C2Cの淘宝網に掲載されている日本ブランドの掲載商品数がどれだけあるのか知っているんでしょうか?また淘宝指数での日本ブランドの検索数は依然として高いです。
敢えて言えば韓国勢が勢いを増して日本ブランドが売れなくなったのではなく、日本ブランドがECで売る努力を怠ってきたから売れなくなったのです。
中国で勝っている企業が何をしているかも記事にしないと、他の日本人が中国マーケットを誤った認識で捉えてしまう危険性があると思います。

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